世界一古い宿は山梨県の「慶雲館」

世界には長い歴史を持った宿やホテルがあるが、世界一古い宿は日本にある。その宿は「西山温泉 慶雲館(けいうんかん)」で、山梨県の山奥にひっそりと佇んでいる。

慶雲館

慶雲館は山梨県南西端の山間の町であり、「日本一人口の少ない町」(自然人口として)、「日本で最も美しい村連合」の一つである早川町にある。同町は長野県や静岡県と県境を接する。建物はさすがに当時のままというわけではないが、慶雲館の創業は705年(慶雲2年)まで遡る。

慶雲館

今から1300年以上前の飛鳥時代に山奥で温泉が発見され、峠を越える旅人たちのために宿を営んだのが始まりである。以来、武田信玄や徳川家康も泊まったと伝えられている。また、秘湯として、多くの都人、名将、文人に愛され続けてきた。

現在に至るまで代々続く世界一古い宿で、現在の宿の当主は52代目となっている。2011年(平成23年)にギネス世界記録によって「世界最古の宿泊施設」(the oldest hotel)として認定された。

慶雲館

全部で35室ある客室は全て和の風情にこだわった広々とした空間になっている。また、食事は南アルプスの恵みを活かした料理で、溶岩プレートで焼くA5ランクの甲州牛などを楽しめる。そして、1300年前から湧き出る温泉の効能は、胃腸病・筋肉痛・便秘・美肌効果となっている。

宿の名前の「慶雲」は創業した時の元号に由来する。元号は、西暦645年に孝徳天皇の即位の時の「大化」に始まり、文武天皇の「慶雲」は5番目の元号にあたる。「慶雲」とは夕空に現れる吉兆とされる雲のことを意味する。そして、705年(慶雲2年)に藤原鎌足(中臣鎌足)の長子・藤原真人(定恵)により発掘・開湯されたのが「西山温泉」である。

リンク慶雲館Wikipedia

2019/5/17

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カテゴリー「歴史・文化

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