「万華鏡(まんげきょう)」は、その名前や見た目から日本発祥だと思われがちだが、日本ではなくイギリス発祥である。
英語では「カレイドスコープ(kaleidoscope)」という。その名前はギリシア語の「kalos:美しい」「eidos:形」「skopeo:見ること」に由来する。
イギリス・スコットランドの科学者ディヴィッド・ブリュースター(1781~1868年)が発明したもので、1816年に偏光角(ブリュースター角)という光の研究をしている時に発明した。今から約200年前に作られた万華鏡は現在の万華鏡とほぼ変わらぬ形をしていた。翌1817年にブリュースターは万華鏡の特許を取得した。初期には科学における道具として発明されたものだが、玩具として急速に複製された。
日本には江戸時代後期の文化文政時代の1819年には既に輸入され、「紅毛渡り更紗眼鏡」などと呼ばれて大阪ではその偽物が出回るほどの人気を博した。かつては「万華鏡(ばんかきょう)」「百色眼鏡(ひゃくいろめがね)」「錦眼鏡(にしきめがね)」とも呼ばれた。こうして和風の万華鏡が作られ、現在でも親しまれている。
埼玉県川口市には個人が運営する「日本万華鏡博物館」がある。また、北海道小樽市の「オタルカン」では世界最大規模のカレイドスコープギャラリーがある。
リンク:Wikipedia、Amazon、日本万華鏡博物館、オタルカン
2019/5/22
カテゴリー「歴史・文化」