金沢のご当地納豆「そらなっとう」は、JALの機内食にも採用されたことがあり、有名ホテルや給食でも食べられている。
「そらなっとう」は普通より「におい」や「粘り」が少なく、納豆が苦手な人でも食べやすいと人気がある。その「そらなっとう」誕生のきっかけは「中国からのクレーム」で、そのクレームで窮地に立たされた一人の学者の執念が生んだ奇跡の納豆だった。
「そらなっとう」の開発者は金沢大学の牧輝弥准教授で、専門は納豆ではなく「中国から飛来する黄砂による人体への影響」だった。しかし、研究結果が世に出ると中国から「いくら何でも黄砂のことを悪く言い過ぎだ。マイナス面ばかりを強調して困る。中国へは立ち入り禁止だ。」と信じられないクレームが入った。
これには牧准教授も参ってしまった。中国で黄砂の調査ができないと研究が止まってしまう。そこで、黄砂の悪い面ばかりではなく良い面も見るように方針を変え、能登半島上空3000mをヘリで飛び、中国から飛来する黄砂に含まれる微生物を研究することにした。
その結果、黄砂の中に「納豆菌」が含まれていることを発見した。それを使って誕生したのが「そらなっとう」である。牧准教授が試作品を中国に持って行くと、中国側の人たちは喜んで食べてくれ、中国の砂漠に入ることも許可された。
金沢のご当地納豆「そらなっとう」は、中国からのクレームがきっかけで、黄砂に含まれる納豆菌を発見したことで生まれたものだった。そんな「そらなっとう」は、石川県白山市に本社を置く株式会社金城納豆食品により製造・販売されている。
2019/6/6
カテゴリー「食べ物」