「マブダチ」とは、「本物の友達」「親友」という意味の言葉である。しかし、マブダチの「マブ」とは何を意味しているのか。
「マブ」を漢字で書くと「間歩」とする説がある。「間歩」は世界遺産でも使われている漢字である。
島根県の山奥にある世界遺産「石見銀山」は年間約30万人の観光客が訪れる。昔、この山にトンネルを掘って銀を採掘していた。そんな石見銀山のトンネルの入り口にある石碑の一番下には「間歩」と書かれている。「間歩」というのは「鉱山の坑道」(トンネル)を表す言葉だった。なぜ「トンネル」が「本物」という意味に変わったのか。
盗賊たちの間では「金脈に通じる」ことから、「本物である」「良いものである」という意味に変化していった。江戸時代の盗賊にとって鉱山のトンネルは本物の金や銀が盗める場所だった。「本物」という意味だけが残り、現在の「マブ」になったと考えられている。
そして「マブ」に「友達」を意味する「ダチ」が付けられ、「マブダチ」という言葉が生まれた。一説によると「マブ」は、祭りや縁日などに露店を営む的屋が使っていた隠語だったという情報もある。
2019/8/4
カテゴリー「語源・由来」