「ヤブ医者」の語源・由来

「ヤブ医者」とは、適切な診療や治療の能力を持たない医者、下手な医者を意味する。漢字では「藪医者」と書く。

「ヤブ」の語源については諸説あるが、「野巫(やぶ)」に由来する説がある。野巫とは、呪術や占い、まじないで治療する田舎の医者のことを意味する。あやしい呪術で治療することや、たった一つの術しか分かっていないことから、見下して「いい加減な医者」という意味で「野巫医者」という言葉が生まれたとされる。そして「藪」を当て字として「藪医者」となった説である。

また、「ヤブ」の語源を「養父(やぶ)」とする説もある。これは現在の兵庫県養父市の養父で、もともと「評判のよい名医」を意味する言葉だったという。昔、但馬国の養父に優秀な医者がいて、養父の医者は名医だという評判が広まった。しかし、その名声を悪用して、自分は養父の医者、またはその弟子だと名乗る偽物の医者が現れた。これにより「養父医者」の名声は地に落ち、いつしか「藪」の字が当てられ、「腕のない医者」を意味するようになった。この説は養父市のホームページでも紹介されている。

その他に、ことわざ「藪をつついて蛇を出す」(余計なことをして、かえって事態を悪化させてしまう)に由来する説や、腕が悪くて普段は患者の来ない医者でも、風邪が流行って医者の数が足りなくなると患者が押し寄せ忙しくなることから、「カゼ(風)で動く=藪」に由来する説などがある。

リンクWikipedia養父市

2019/8/22

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