焼き肉店などで使われる部位の名前で、カルビやハラミ、タンなどが有名だが、希少な「イチボ」という部位もある。
「イチボ」とは、牛のお尻の先の部分の肉で、人間で言うとお尻のえくぼに当たる部分。一頭からわずかしか取れない希少価値の高い部位で、霜降りの甘さと赤身の旨みが合わさり、その美味しさと柔らかさが特徴の肉である。
牛を後ろから見ると骨盤の形はアルファベットの「H」の形をしていて、英語では「H bone」(エイチボーン)と呼ばれる。その「エイチボーン」から「イチボ」という名前で呼ばれるようになったと言われる。「イチボ」は骨の形に由来する名前である。
ちなみに、「ランプ」も牛のお尻の部位を指す名前である。ランプはイチボとは場所が少し違い、ランプは腰からお尻にかかる部位を指す。「ランプ」も英語に由来する言葉で、英語で牛の「尻肉」を意味する「rump」から来ている。
また、「カルビ」もイチボと同じように骨に由来する名前である。「カルビ」は韓国語で「肋骨(あばら)」を意味する。韓国料理においてはその周辺に付いている肉、つまり「バラ肉」のことを言う。これに由来して日本の焼き肉店でも「カルビ」の名称が使われるようになったとされる。
2019/8/29
カテゴリー「語源・由来」