工事現場の騒音問題は「泡」で解決

重機の入る工事現場において騒音問題はつきものであり、中でも一番音が出るのはコンクリートを粉砕する時の音である。

従来は騒音対策のために、切り出したコンクリートをわざわざ別の場所まで運んで砕いていた。そんな騒音問題を解決できる画期的な方法が開発された。それは従来の重機を身近なあるもので覆って騒音をカットするというものである。そのあるものとは「泡」である。

重機を泡で覆うことで嫌な騒音を抑えることができる。これにより、その場でコンクリートを粉砕することが可能になり、作業効率は約3倍もアップした。重機において大きな音が出るのはコンクリートを粉砕する先端部分であり、これを泡で覆うという方法が開発された。これにより騒音のエネルギーを約7割も低減できる。

バブルサイレンサー

この泡は中性洗剤からできた、きめの細かい泡である。その泡で覆うことで抑えられる音の大きさ自体はそれほど変わらないが、人が不快に感じるキンキンと響く高音域の音を抑えることができる。騒音問題の原因は音の大きさ以上に、人が不快に感じる高音域が問題だった。

重機の先にあるドリルを泡で包み込むと、ドリルの振動が泡を破壊するエネルギーにかわり、空気中に伝わる騒音の高音域を大幅にカットする効果がある。これにより人は工事の音を不快に感じにくくなり、「泡」は騒音問題の解決策の一つとして期待されている。

この泡を放出する装置は株式会社大林組により2018年に開発され、解体騒音低減装置「バブルサイレンサー」という名前が付けられている。この装置は騒音対策になるとともに、コンクリートの粉砕の時に出る粉塵の飛散を抑制する効果もある。騒音と粉塵の両方において周辺環境への影響を軽減することができる。

リンク大林組

2019/9/29

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カテゴリー「生活・科学

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