日本にカレーライスが伝わった歴史

日本人の国民食とも言われる「カレーライス」は、カレーをご飯にかけて食べる料理である。その歴史の一説を確認してみる。

カレーライス

日本で主に食べられるカレーライスは、カレーの本場インドの料理を元にイギリスで生まれ、日本で独自に変化した料理である。そのため、日本のカレーライスはイギリスから伝わったものである。

様々な種類があるが、インドでは一般的にスープ状のカレーを米やナンと一緒に食す。一方、イギリスではパンが主食であったが、インドを長く植民地にしていたことで、インドの米を食べる文化とともに、スープ状のカレーを食べる文化がイギリスに伝わった。その後、イギリスでとろみのついたカレーが誕生した。

カレーにとろみがついた理由として、イギリスの海軍のメニューに採用されたことが挙げられる。船の揺れに対応するために、とろみがつけられたという説である。船の上で食べようとした時、スープ状のカレーだと船が揺れた時にすぐにこぼれてしまう。そこで、こぼれないように小麦粉でとろみをつけることが考案された。

イギリスで生まれたとろみのある「カレー」と、インドから伝わった「米」がイギリスで結びつき、「カレーライス」が誕生した。そのとろみのついたカレーライスが日本に伝わって来たのは江戸時代の終わり頃とされる。

カレーライスが日本中に広まった理由の一つとして、兵士の食事に採用されたことが挙げられる。カレーライスは一度に大量に作ることができ、兵士の食事に最適であった。当時のレシピにも小麦粉を使っていたことが記されており、イギリス式のとろみのついたカレーライスを食べていた。

戦地で作り方を覚えたカレーライスを家族に食べさせたことで、日本中の家庭にカレーライスが広まった。しかし、その後に太平洋戦争が起きたことで、物資が不足し、スパイスの輸入経路も断たれた。さらに、食料統制が行われ、軍用以外のカレー粉の製造・販売が禁止された。そのため、庶民は戦時中にカレーライスを食べることができなかった。

その後、終戦を迎え、街には少しずつ物資が戻り、学校の給食にも再びカレーライスが登場した。子ども達の顔にも笑顔が見られ、平和とともにカレーライスが帰ってきた。そして、とろみのついたカレーライスは各家庭でも一般的に作られるようになり、現在のように国民食となっていった。

リンクWikipediaコトバンク

2019/11/16

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カテゴリー「食べ物

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