サザエの殻の棘と蓋の役割

サザエの特徴として「殻の棘(とげ)」と「蓋(ふた)」があるが、これらには外敵から身を守る以外にも重要な役割がある。

サザエ(有棘型)
サザエ(有棘型)

まず、「殻の棘」についてだが、個体により殻に棘の有るものと無いものがあり、それぞれ有棘型(ゆうきょくがた)、無棘型(むきょくがた)と呼ばれる。このサザエの棘はその個体が棲む場所により、棘の発達度合いが決まるという説がある。

波の荒い外海で成長した個体には棘が形成され、波の荒くない内海で成長した個体には棘が形成されない。また、水流のない水槽の中で飼育しても棘のない個体になる。そのため、殻の棘は外海に棲む個体が波に流されるのを防ぐ役割があると考えられている。

ただし、波の荒い地域でも棘の無い個体が確認されたり、逆に飼育環境でも棘の有る個体が確認されるなど、例外もあり、棘の有無には環境的要因と遺伝的要因の両方が関係しているのではとの意見もある。

次に「蓋」についてだが、外敵から体を守る役割以外にも、蓋をすることで海水をため込み、陸地で生き延びることができるという役割がある。

貝であるサザエは魚と同じように鰓(えら)で呼吸をしている。そのため、海の外に出ると死んでしまうが、陸地に打ち上げられた時に、蓋をぴったり閉じることで海水を殻の中に閉じ込める。これにより、陸地に上がっても3~4日ほど生き延びることができる。

そんなサザエの命を守る鉄壁の蓋は、外からの強い力に耐えることができる。実験では9kgもの引っ張る力に耐えられるという結果もある。しかし、天敵であるネコザメは蓋を開けずにサザエを殻ごと砕いて食べてしまう。蓋は鉄壁でもどうにもならない相手もいる。

ちなみに、サザエの殻には細かい縞々模様が付いている。これは殻を成長させるために、外套膜(がいとうまく)という器官から1日ごとに分泌される炭酸カルシウムが固まってできた線である。木の年輪ならぬ貝の日輪で、この日輪を数えれば、そのサザエの日齢が分かる。サザエの寿命は7~8年とされ、一般的に出回っているサザエは2~3年くらいのものが多い。

また、この日輪は食べる餌によって色が変わり、海藻のカジメやアラメを食べると白、オゴノリやテングサを食べると赤褐色になるという。そのため、人工飼育下で周期的に与える餌を変えることで、縞々模様を好みの色にすることもできる。

リンク日本テレビWikipediaコトバンク

2019/12/19

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カテゴリー「生き物

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