「食パン」の名前の由来

「食パン(しょくパン)」とは、生地を発酵させ、大きな長方形の箱型の型で焼いたパンのことである。食パンの「食」とは何を意味するのか。

食パン

「食パン」は日本における呼称であり、造語である。消費者庁の「パン類品質表示基準」では、「食パン」とは「パン生地を食パン型(直方体または円柱状の焼型)に入れて焼いたもの」と定義されている。

日本人が型に入れて焼いた軟らかいパンのことを「食パン」と呼ぶようになった由来については諸説ある。

美術のデッサンの時に描いた線を消すのに用いるパンを「消しパン」と呼称し、それに対して食用のパンを「食パン」と呼称し始めたという説や、明治初期に外国人が主食として用いているパンであることから「主食用パン」という意味で「食パン」と呼んだという説などがある。

以下、主食用パン説の補足である。日本で初めてパンが作られたのは江戸時代のことであり、最初は「兵糧パン」と呼ばれる保存食としての硬い「乾パン」が作られた。その当時、日本ではまだパンを食べる習慣はなく、主食は「米」であった。

その後、明治初期には「あんパン」に代表されるようなお菓子として食べる「菓子パン」が日本で食べられるようになった。なお、「あんパン」は木村屋(現:木村屋總本店)の創業者である木村安兵衛(きむら やすべえ)により、1874年(明治7年)に考案され、大ヒットとなった。この「菓子パン」に対して主食となるパンとして「食パン」と呼ばれたという。

日本における「食パン」は、同じく明治初期にイギリスから山型のパンが入って来たことに始まる。横浜や神戸の外国人居留地には外国人が経営するパン屋があり、外国人向けに主食用のパンが製造されていた。その後、この主食用のパンの作り方を教えてもらい、日本人による美味しい「食パン」が作られるようになった。

リンクWikipediaコトバンク消費者庁

2020/3/9

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カテゴリー「語源・由来

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