「サラダ油・サラダ味」の名前の由来

「サラダ油」とは、植物の種子や果肉に含まれる脂質を抽出・精製した植物油の一種。日本では家庭で最もよく使われる食用油である。

その始まりは、1924年(大正13年)に日本で最初に日清製油株式会社(現:日清オイリオグループ株式会社)が「日清サラダ油」という名前でサラダ油を販売したことである。この内容については日清オイリオのサイトにも記載されている。

日清サラダ油

当時の日本では、食用油は主に揚げ物などに利用していたが、西洋では、塩や酢を加えた食用油を生野菜にかけてドレッシングのようにして食べていた。「サラダ油」という名前は、サラダ料理などに使う生でも使用できる食用油という意味である。火を加えず生で食べられるように、精製の度合いをより高めた良質の食用油のことを特に「サラダ油」と名付けた。

このように「サラダ油」という名前は日本で生まれたということになる。英語ではそのまま「salad oil」や、「植物油」を意味する「vegetable oil」の表記が見られる。

現在ではサラダ油の規格は、日本農林規格(JAS)により定められている。JASの基準を満たした原材料を用い、なおかつJAS認定工場で製造されたものでなければ「サラダ油」を名乗ることは出来ない。JASにおいては、定められた低温の条件下で一定時間(0℃の温度で5.5時間)放置しても凝固や白濁の無いことをサラダ油の条件としている。

原材料については、油菜(アブラナ)、大豆、トウモロコシ、ひまわり、綿実(めんじつ:ワタの種子)、ごま、米(米糠)、サフラワー(紅花)、落花生の規格がある。また、二種類以上の植物油を混合して作られたサラダ油は「調合サラダ油」と呼ばれる。

従って、規格にないオリーブや椿(ツバキ)のサラダ油は存在しないが、調合サラダ油の原材料として混合することは可能である。現在の「日清サラダ油」の原材料は「食用大豆油、食用なたね油」となっている。なたね(菜種)はアブラナの別名であり、アブラナの種子も意味する。

また、煎餅(せんべい)やスナック菓子に「サラダ味」などの表記がされた商品があるが、これは「サラダ油」に由来する名前である。

ソフトサラダとプリッツ旨サラダ

まだサラダ油が高価だった1960年代、サラダ油をからめて塩で味を付けた煎餅が作られ、お洒落な洋風の「サラダ味」という名前が付けられた。その他、塩の「ソルト」が変化して「サラダ」になったという説もある。それまでの「しょうゆ味」の煎餅に比べて斬新で高級感のあるイメージとその味で人気となり、現在ではお菓子の定番の味となっている。

リンク日清オイリオWikipedia亀田製菓江崎グリコ

2020/3/22

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カテゴリー「語源・由来

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