「ミーハー」とは、世の中の流行や話題に敏感に反応し、夢中になる人や熱中しやすい人を意味する言葉である。
元々は低俗(ていぞく:程度が低く、下品で俗っぽいこと)な趣味や流行に夢中になっている人を意味する言葉で、そのような人を軽蔑(けいべつ:品格を低く見て、馬鹿にすること)して使われる場合もある。特に流行に左右される若い女性に対して使われたが、現在では男性にも使われる。
通常はカタカナで「ミーハー」と表記され、英語の私「me(ミー)」と彼女「her(ハー)」に由来する説もあるが、「ミーハー」は日本語である。「ミーハー」という言葉の由来については諸説あるが、昭和初期に生まれた俗語(ぞくご:公式な場面や文書では用いられないが、世間で日常的に使われる言葉)とされる。
当時は萬龍(まんりゅう)や市丸(いちまる)、栄龍(えいりゅう)など漢字の名前が主流だった芸者の名前に、「みよ」や「はな」など「み」や「は」で始まる名前が流行した。この流行りに便乗した芸者を「みいちゃん・はあちゃん」と呼び、その頭文字をとって「ミーハー」と呼ぶようになった説がある。
芸者の名前ではなく、当時の若い女性の名前の頭文字に「み」や「は」が多かったことに由来して、その女性たちの代表的な呼び名として「みいちゃん・はあちゃん」が略されて「ミーハー」という言葉が生まれた説もある。
また、当時の若い女性に人気があった甘味「みつまめ」と、昭和の銀幕スター「林長二郎(はやし ちょうじろう)」の頭文字に由来する説もある。林長二郎(後の長谷川一夫)は、1927年(昭和2年)に公開された松竹映画『稚児の剣法(ちごのけんぽう)』でデビューし、その美貌は多くの女性ファンを魅了した。
その他、音階のドレミファソラシドの「ミファ」に由来して、「ミーファー」が「ミーハー」になった説などがある。
2020/5/14
カテゴリー「語源・由来」