「道しるべ」とは、「道の行き先や方向、目的地までの距離などを示す標識のこと」であり、「道案内、案内者、手引き」などを意味する言葉である。
「道しるべ」という言葉は、「しるべ」だけでも「道案内」という意味になる。「しるべ」は「行く道を知るための方向や手掛かり」という意味から、「案内役となる人や物」を指す言葉として、平安時代から使われてきた。
「しるべ」は「しる」と「べ」に分けられ、漢字では「しる」は「知る」、「べ」は「方」と書く。「方」は「進んで行く先」などの意味がある「行方(ゆくえ)」の「方」と同じで、「その辺り、その方向」という意味を表している。つまり、「しるべ」は「知っている方向」となり、「道しるべ」は「知っている道の方向を案内すること」を表した言葉である。
また、「しるべ」は「知る辺」や「導」「標」とも書き、「道の案内をすること、教え導くこと、知っている人」などの意味で使われる。「知る辺のない土地」「知る辺を頼る」のような使われ方がされる。その他、現在ではあまり使われないが「道案内する」という意味の動詞で「しるべする」という言葉もある。
2020/5/28
カテゴリー「語源・由来」