「ダイヤモンド」の名前の由来

「ダイヤモンド(diamond)」は、炭素(carbon:C)の同素体の一つであり、天然の物質の中で最も硬い鉱物である。宝石の他、工業用としても利用される。

ダイヤモンド

日本語では「金剛石(こんごうせき)」とも呼ばれ、「ダイヤ」と略される場合もある。そんなダイヤモンドの歴史は古く、紀元前のインドにまで遡るとされる。ただし、その頃のダイヤモンドは「美しい宝石」ではなく「硬い石」という認識しかなかった。

「美しい宝石」として認められたのは、ダイヤモンドの研磨方法が確立された15世紀に入ってからである。それ以前の技術では研磨することができないほどダイヤモンドは「硬い石」だった。どんなものよりも硬く、火にも強いことから、古代ギリシアではダイヤモンドに「特別な力が宿る」とされた。

ギリシア語で「ダイヤモンド」は「征服し得ない、屈しない」という意味の「アダマース(adámas)」と呼ばれた。この名前には「何者も征服できない力を持つ石」という意味合いが含まれていた。そして、イタリア語・スペイン語・ポルトガル語では「ディアマンテ(diamánte)」、フランス語では「ディアマン(diamant)」となり、後に英語では「ダイヤモンド(diamond)」になったとされる。

ちなみに、日本語の「金剛石」の「金剛」は仏教用語で、「金属の中で最も硬いもの」という意味がある。他にも「極めて強固で壊れないもの」などの意味があり、「金剛」は「最も優れている」という意味の「最上」や「最勝」の意味でも使用される。

「金剛」を含む言葉にはダイヤモンドの「金剛石」の他に、古代インドの武器や密教の法具「金剛杵(こんごうしょ)」や、全ての煩悩(ぼんのう)を打ち破る強固な力を持つ世界「金剛界(こんごうかい)」などがある。

また、世界で最も大きい研磨済みダイヤモンドは、「ザ・ゴールデン・ジュビリー(The Golden Jubilee Diamond)」であり、その重さは545.67カラット(109.13g)もある。その原石は南アフリカで産出し、研磨されたダイヤモンドはタイ国王ラーマ9世の治世50周年を記念して1997年にタイ王室に献上された。「ゴールデン・ジュビリー(golden jubilee)」とは、英語で「50周年記念」を意味する言葉である。

リンクWikipediaコトバンク

2020/6/5

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カテゴリー「語源・由来

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