「乗り掛かった船」の意味・由来

「乗り掛かった船(のりかかったふね)」とは、「物事を始めた以上、途中でやめる訳にはいかない」という意味で使われる言葉である。

船

「乗り掛かった船」とは、「これから乗船しようとしている状態」や「船に片足を掛けた状態」を想像するかもしれないが、実は「既に船に乗っている状態」を表している。「読みかけの本」は「既に本を読み始めている状態」を表し、「食べかけの弁当」は「既に弁当を食べ始めている状態」を表す。これらと同じように「乗り掛かった船」は「既に船に乗っている状態」となる。

そして、その「船」は陸を離れて水の上にあり、目的地に向かう途中である。一度出発すると目的地に着くまで船を途中で降りることは出来ない。そこから、「乗り掛かった船」という言葉は、「途中で事情が変わっても、やめるわけにはいかないことの例え」として使われるようになった。

同様に「途中でやめられないことの例え」として使われる言葉には、「乗り出した船」「乗り掛かった馬」「渡りかけた橋」「騎虎の勢い(きこのいきおい)」などがある。「騎虎」とは「虎の背に乗ること」を意味し、「騎虎の勢い」は「虎の背に乗った者は、途中で降りると虎に食べられてしまうため降りることが出来ない」という状況を表した言葉である。

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2020/5/30

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カテゴリー「語源・由来

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