「戸惑い(とまどい)」とは、「手段や方法が分からなくてどうしたらよいか迷うこと」という意味で使われる言葉である。
「戸惑いを覚える」「戸惑いの表情を見せる」のような使われ方がされる。また、「戸惑い」には元々「夜中に目を覚まし、寝ぼけて方角を失うこと。また、入るべき家や部屋が分からずまごつくこと」という意味がある。
「戸惑い」は「戸に惑う」と書くように、「戸」は文字通り「家や部屋の戸」のことである。昔の大きな日本家屋には、いくつもの部屋があった。そのため、夜中に目が覚めて部屋を出ると、寝ぼけて入るべき部屋が分からなくなる。そんな状況を表した言葉である。その後、現在のように「手段や方法が思い付かずまごつくこと」という意味に発展した。
「戸惑い」は「途惑い」とも表記される。これらは同じ意味で使われるが、「途」は「道、道すじ、道のり」という意味である。つまり、その字から「途惑い」には「進むべき道が分からない」という意味合いが含まれる。
「戸惑い」の送り仮名を略した形で「戸惑」と表記されることもある。また、「戸惑い」が動詞化した「戸惑う/途惑う」という言葉は「どう対処してよいか分からずまごつく」という意味で使われる。「突然の申し出に戸惑う」「急に聞かれて戸惑う」のような使われ方がされる。
2020/6/7
カテゴリー「語源・由来」