「埒が明かない」の意味・由来

「埒が明かない(らちがあかない)」とは、「物事が解決しない、事態が進展しない、決着がつかない」という意味の言葉である。

「埒(らち)」とは、囲いや仕切りの柵ことで、特に馬場を仕切るために周囲に設けた柵のことを意味する。「埒が明かない」という言葉の由来については諸説あるが、馬の柵が開かなければ何事も始まらないことに由来する説がある。

この由来とは直接的な関係はないが、現在の競馬において柵(ゲート)が開かないとレースが始まらないのは確かである。

その他にも、ある祭りにおいて、神輿(みこし)に囲いの柵をして人が入れないようにし、祝詞(のりと:神に祈る言葉)を読み終わるまでその柵は開かなかった。その柵が開くまで一般の人が中に入れなかったことに由来する説がある。

これらの言葉の由来から「あく」は「開く」でも問題ないように思えるが、「明く」の字を使うので注意が必要である。

「埒(らち)」を含む言葉には、「物事に決まりをつける」という意味の「埒を付ける」、「法や掟(おきて)を破る、道理に反する」という意味の「埒を越える」、「道理に外れていて、けしからぬこと」という意味の「不埒(ふらち)」、「ある物事の範囲の外」という意味の「埒外(らちがい)」、その対義語で「ある物事の範囲の内」という意味の「埒内(らちない)」などがある。

また、馬の上から弓で矢を射る「騎射(うまゆみ)」の馬場において、走る馬の道の両側に設けた埒のうち、進行方向に対して左側の的がある高い方を「雄埒(おらち)」、右側の低い方を「雌埒(めらち)」と呼ぶ。

リンクコトバンクイミダス

2020/6/14

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カテゴリー「語源・由来

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