「文鳥」の名前の由来

「文鳥(ブンチョウ)」は、スズメ目カエデチョウ科キンパラ属に分類される鳥で、英名は「Java sparrow」である。

文鳥

文鳥は、インドネシアのジャワ島や、マレーシア・タイのマレー半島などが原産であり、日本へは江戸時代の初期に中国を経由して渡来したとされる。人によく懐(なつ)く文鳥は昔からペットとして飼育されてきた。

文鳥には、白い斑紋が桜の花びらのように見える「桜文鳥(サクラブンチョウ)」や、全身が白い「白文鳥(シロブンチョウ)」など、数多くの品種があるが、原種に最も近いとされるのは通常個体の「並文鳥(ナミブンチョウ)」または「ノーマル文鳥」と呼ばれる品種である。黒い頭に白い頬が特徴で、体の模様も綺麗である。「文鳥」という名前はそんな美しい姿に由来する。

江戸時代の前期、1697年(元禄10年)に刊行された本草学者・人見必大(ひとみ ひつだい)の書物『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』には、「以形麗号文鳥(形の麗しきをもって文鳥と号す)」と記されている。これは「姿が美しいので文鳥と呼ぶ」という意味である。

「文鳥」の「文」は文章の文ではなく、「文(あや)」つまり「模様、色合い」のことである。「文」だけでも「模様」の意味があるが、「文彩(ぶんさい)」という言葉もあり、これは「模様、色どり」などの意味である。このように「文鳥」という名前は「体の模様が美しい鳥」という意味であり、その外見に由来する言葉である。

ちなみに、「て(10)に(2)し(4)あわせ」(手に幸せ)と読む語呂合わせなどから10月24日は「文鳥の日」という記念日になっている。

リンクWikipediaコトバンク

2020/6/10

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「語源・由来

関連記事