「尾頭付き」の意味・由来

「尾頭付き(おかしらつき)」とは、「尾と頭の付いたままの魚」を意味し、特に鯛(タイ)の尾頭付きの焼き物は祝いの席で好まれる。

鯛

祝い料理の定番である「鯛の尾頭付き」は、神事や慶事(けいじ:祝い事、めでたい事)での料理に用いられる。鯛(タイ)は、その寿命が長いことや「めでたい」に通じることから、古くから祝いの席に欠かせないものだった。

特に神様への供え物には、切り分けられていない完全な姿、尾から頭までそろった「尾頭付き」が良いとされてきた。また、鯛の尾頭付きは尾から頭まで付いていることから、最初から最後まで全うする「長寿の願い」が込められている。

そんな縁起物の鯛は30年以上も生きる場合があるという。また、福をもたらすとされる七福神の一人に数えられる恵比寿様は、一般的に右手に釣り竿、左手に鯛を抱えている。

ひらがなの「おかしら付き」と書くこともあるが、漢字では「御頭付き」でないことに注意が必要である。「御頭」は、頭領や親分を敬っていう語である。「おかしら付き」は「尾も頭も付いたままの魚」を意味する言葉のため、その状態を表す「尾頭付き」と書くのが正しい。

リンクコトバンク朝日新聞デジタル

2020/6/21

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カテゴリー「語源・由来

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