「おかず」の語源・由来

「おかず」とは、副食や副食物、惣菜のこと。食事の献立の中で主に米飯の主食に付け合せて食べる料理を幅広く指す言葉である。

和風定食

「おかず」は、元々は女房言葉(にょうぼうことば)である。女房言葉とは、女房詞とも書き、室町時代に宮中や院に仕えた女房たちが使い始めた、特定の人の間でのみ通じる隠語である。

その女房言葉の一例に、言葉の頭に「お」を付けて丁寧にしたものがあり、後に一般の女性にも広まったとされる。「おかず」のほかに「おむすび」「おにぎり」「おでん」「おかか」「おはぎ」「おから」「おかき」「おこわ」「おさつ」「おじや」「おなか」など現在でも数多くの言葉が残っている。

「おかず」は主食の周りを囲むように置かれるものであり、元々は漢字で「御回り」または「御巡り」と書いて「おまわり」や「おめぐり」と呼んでいた。そして、「めぐり」でも分かるように「おかず」はある程度の「数」がないと成り立たない。「おかず」という言葉の語源は「数を取り揃える」だという説があり、漢字では「御数」と書く。

「御数」という言葉は、安土桃山時代の宣教師の記録として、イエズス会により1603年から1604年にかけて長崎で発行された、日本語をポルトガル語で解説した『日葡辞書(にっぽじしょ)』にも掲載されている。その後、江戸時代の末期には、口語として庶民の間でも一般的に使われるようになったとされる。

ちなみに、「おかず」の漢字は「御数」のほかに「御菜」とも書く。「菜(さい、な)」は、葉や茎、根を食用にする草の総称であり、「菜」だけでも「おかず、副食物」の意味がある。

リンクWikipediaコトバンク

2020/6/29

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