「狭き門」の意味・由来

「狭き門(せまきもん)」とは、「競争が激しく、入学や就職などが難しいことの例え」として使われる言葉である。

フランスのノーベル文学賞受賞者アンドレ・ジッド(André Gide、1869~1951年)が、1909年(明治42年)に発表した小説に『狭き門』(原題:La Porte étroite)という有名な作品がある。この作品は1923年(大正12年)にフランス文学者・山内義雄(やまのうち よしお、1894~1973年)により翻訳され、日本でも大変な人気となった。

狭き門

これにより「狭き門」という言葉が広まったとされるが、この言葉は元々『新約聖書』の『マタイ福音書』第7章第13節に記されたイエス・キリストの言葉に由来する。その言葉とは、「狭き門より入(い)れ、滅(ほろび)にいたる門は大きく、その路(みち)は広く、之(これ)より入る者多し。生命(いのち)にいたる門は狭く、その路は細く、之を見出す者少なし。」という内容である。

この言葉にもあるように「生命にいたる門」が「狭き門」であり、「生命」とは「永遠の命」、つまり「天国」のことを意味する。キリストは「天国の門」は「狭き門」だと説き、これは「天国に至る道の険しさ」を例えた言葉である。そして、この言葉には「他の人が選びたがらない困難な道を敢えて選ぶ。その先にこそ救いがある。」という教えが込められている。

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2020/6/23

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