「慌てる」の語源・由来

「慌てる(あわてる)」とは、「思いがけない物事に出会って、普段の落ち着きを失う。驚きうろたえる。物事を急いで行う」などの意味である。

「あわてる」は漢字では「慌てる」または「周章てる」と書く。「思いがけない物事に出会って、あわてふためくこと。うろたえ騒ぐこと」という意味で「周章狼狽(しゅうしょうろうばい)」という言葉もある。ただし、「慌てる」や「周章てる」は後に当てられた字である。

「あわてる」は古くは「あわつ」であり、「あわつ」は現代と同じで「あわてる。うろたえる」という意味である。では「あわ」とは何を意味しているのか。

「ひどくあわてる。驚きあわてる」という意味で「泡を食う(あわをくう)」という言葉がある。「泡を食う」は「あわつ」から生まれた言葉で、「あわつ」や「あわてる」の「あわ」も語源は同じ「泡」である。なお、「食う」は「肘鉄(ひじてつ)を食う」や「締め出しを食う」などの「食う」と同じで、「身に受ける。出くわす」という意味である。

溺れている人

「あわてる」の語源は「泡立つ」であるという説がある。「泡立つ」とは文字通り「泡が立つこと」を意味する。人が溺(おぼ)れると、手足をバタバタして水面に泡が立つ。そこから「あわてうろたえること」を「あわたつ」と言い、これが略されて「あわつ」になったとされる。

リンクコトバンクイミダス

2020/6/27

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