「糠(ぬか)」とは、玄米(げんまい)などの穀物を精白した際に出る外皮の果皮(かひ)や種皮(しゅひ)、胚芽(はいが)などの部分のことである。
主に米糠(こめぬか)のことを意味し、家畜の飼料や農作物の肥料、糠味噌(ぬかみそ)などに利用されるほか、米糠油(こめぬかゆ)の原料にもなる。食物繊維やビタミン、ミネラルなど多くの栄養素を含み、近年では健康食品にも利用されている。
そんな「糠(ぬか)」は、平安時代中期に作られた辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』には、「糠(ぬか) 米皮也(よねのかはなり)」と記載されており、「糠は米の皮である」と説明されている。その「ぬか」の語源は「米の脱げた皮」という意味の「脱皮(ぬけかは)」だとする説がある。
また、漢字「糠」の旁(つくり)の「康」は、硬くて丈夫な心棒を表す「庚」と「米」から成る文字で、脱穀する様子を表している。そして、米偏(こめへん)が付いた「糠」の漢字には、「米などの穀物の中身を取り去った外皮などの残りかす」という意味がある。
2020/7/9
カテゴリー「語源・由来」