携帯電話の「1G」はどんな時代か

「第5世代移動通信システム」は英語で「5th Generation Mobile Communication System」であり、一般的に「5G(第5世代)」と略される。

5Gの技術を使用することで、スマートフォンで2時間の映画を3秒でダウンロードできる、安全な車の自動運転が可能となる、リモート会議の遅延がなくなる、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を手軽に楽しめる、などの利点が挙げられる。

無線通信システムとして、5Gより前に1G・2G・3G・4Gがあった。「1G(第1世代)」の携帯電話が発売されたのは1985年(昭和60年)のことであり、その携帯用の電話の名前はNTTの「ショルダーホン100型」である。

ショルダーホン100型

「ショルダーホン」はその名前の通り、カバンのように肩にかけて持ち運ぶことができた。重量は約3kgもあり、本体の半分以上がバッテリーだった。しかもこの大きなバッテリーはフル充電しても連続通話時間はわずか約40分。現在のスマートフォンだとフル充電すると連続通話時間は約30時間であり、大幅に進歩してきたことが分かる。

ショルダーホン100型の値段は保証や工事費を含めて約20万円であり、さらに月額2万6千円の費用がかかった。

ショルダーホンは「自動車電話」を発展させたもので、自動車から離れても利用できる「車外兼用型自動車電話」という位置付けだった。もともとは営業の人が外出先からでも電話ができるようにと開発されたもので、現在ではバブル時代の象徴にもなっている。

その2年後の1987年(昭和62年)に発売されたのが片手で持ち運べるタイプの携帯電話でNTTの「TZ-802型」である。この年はNTTにより初めて携帯電話サービスが開始された年でもある。

TZ-802型

その携帯電話の重量は約900gで、連続通話時間は約60分。現在と比べると手軽な携帯電話とは言えないが、この年は名実ともに携帯電話が始まった年である。その後、1993年(平成5年)に大幅に小型化がされた「2G(第2世代)」の携帯電話が登場し、電子メールやウェブ対応など高機能化していった。

リンクNTTドコモWikipedia

2021/3/31

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「歴史・文化

関連記事