マスクはもともと「黒色」だった

ウイルスや花粉から身を守るために欠かせないマスクは、近年「黒色」など様々な色のマスクが登場している。

黒色のマスク

「白色」のマスクが一般的で、「黒色」などカラーのマスクは最近になって登場してきたと思われがちだが、マスクはもともと「黒色」が主流だった。

日本では明治初期にマスクが登場し、そのマスクの色は「黒色」だった。当時はマスクのことを「呼吸器」と呼んでいて、空気を金属糸のフィルターでろ過する仕組みのものなどがあった。

その当時「白色」のマスクも存在したが、白のマスクは医療用として病院などで使用されるとても高価なものだった。

そんな中で、安く手に入るということで一般の人に流通したのが、炭鉱で作業する人たちが使っていた、ちりやほこりが入るのを防ぐための防じん用マスクだった。この防じん用マスクは、汚れが目立たないように黒い色の布を使用していた。

1879年(明治12年)のマスク(呼吸器)の広告にも黒色のものが掲載されている。このように一般的なマスクの色は、もともと「白色」ではなく「黒色」だった。

ちなみに、「スペインかぜ」が世界的に流行したのは1918年(大正7年)から1920年(大正9年)にかけてであり、これをきっかけとして一般の人がマスクを着用するようになったとも言われている。この時のポスターにも黒色のマスクを着用した人の姿が描かれている。

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2021/4/13

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カテゴリー「歴史・文化

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