社会構造を持つハダカデバネズミ

ハダカデバネズミ(裸出歯鼠、Naked mole rat)は、齧歯目デバネズミ科ハダカデバネズミ属に分類され、本種のみでハダカデバネズミ属を構成する。

ハダカデバネズミ
画像元Smithsonian

体長は8~12cm程度。アフリカ大陸のエチオピア、ケニア、ジブチ、ソマリアに生息する。モグラのように地下にトンネルを作り、そこで生活している。根菜などの植物の根を主な食物とする。

名前の通り目立つ体毛が無いため、ハダカのように見えるデバネズミである。また、口から大きく飛び出した出っ歯を持ち、この歯で土の中のトンネルを掘り進める。一生のほとんどを地中で過ごす。

その土の中は温度が安定しており、これにより体温を調整する体毛がなくても問題はない。また、体温を調整する機能を持たず、哺乳類でありながら体温調節ができない変温動物である。これによりエネルギー消費量を低く抑えている。

そんなハダカデバネズミは社会構造を形成し、1つの巣穴の中に平均80頭、最大300頭の群れで生活している。アリやハチと同じように1頭の女王がいて、繁殖を行うのはそのメス1頭とオス数頭のみである。その他のネズミは繁殖をせず、巣穴の整備や掃除、餌の収集、子供の世話などを行う。

ハダカデバネズミの体温は低く、気温が低くなると子供の世話を行うネズミは集団で幾重にも重なり、その上に子供たちを置いて保温する。生まれたての赤ちゃんの体温を下げないように、自らが敷布団のような役割を果たすのである。

リンクWikipediaコトバンク

2021/8/12

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カテゴリー「生き物

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