「下戸・上戸」の意味・由来

「下戸(げこ)」とは、体質的に酒やアルコール飲料を飲めない人を意味する。その対義語は「上戸(じょうご)」で、酒を多く飲む人を意味する。

下戸

下戸は平安時代には使われていた言葉だが、最初は酒への強さを表す言葉ではなかった。律令制(りつりょうせい)において一般の世帯は4つの階級に分けられていた。その基準は主に一家にいる成人男性の数で、働き手が何人いるかだった。

その階級は上から大戸(たいこ)、上戸(じょうこ)、中戸(ちゅうこ)、下戸(げこ)であり、働き手の多い世帯には重い税がかけられた。「戸」とは律令制における課税単位のことであり、負担する税の多い大戸や上戸のほうが身分が上だとされた。

そして、その集落で婚礼が行われる際には、大戸や上戸のほうがより多くの酒が分け与えられた。下戸には僅かな酒しか与えられなかったことから、後に転じて体質的に酒を飲めない人を意味するようになった。その一方で、酒をよく飲む人を意味する言葉として上戸が使われるようになった。

ちなみに、酒を多量に飲む行為やその性質を指して俗に「ざる」とも呼ぶが、これは水を汲んでも満ちないことに由来する。また、同様に酒に強く、酒を多量に飲む人のことを「酒豪(しゅごう)」とも言う。その他、大酒飲みを蛇の丸呑みに例えて、大きな蛇を意味する「うわばみ」とも言う。

リンクWikipediaコトバンク

2021/9/7

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