「アホウドリ」の名前の由来

「アホウドリ」は、広義にはミズナギドリ目アホウドリ科に属する海鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種を指す言葉である。

アホウドリ

北半球では北太平洋に分布し、日本では東京から南へ約1000km離れた小笠原諸島などに生息している。全長が約90cmの大型の鳥で、平均寿命が30年と長い。

そんなアホウドリは警戒心が非常に薄く、陸上において人間が接近しても逃げず、歩き方が不器用で、すぐに捕まってしまうという特徴がある。捕殺することが容易だったことから「アホウドリ」という和名が付けられた。

アホウドリは日本近海の島で繁殖していたが、羽毛の採取のために乱獲された過去がある。それにより一時は絶滅が懸念されていたが、継続的な保護対策などによって、その数は少しずつ回復した。

漢字表記は「阿房鳥」や「阿呆鳥」の他に「信天翁」と書く。「信天翁」を音読みにして「しんてんおう」とも呼ばれる。「信天翁」という言葉については、他の鳥が取り落とした魚が天から降ってくるのを待つ鳥と考えられていたことに由来する。

アホウドリは渡り鳥で、夏季はベーリング海やアラスカ湾、アリューシャン列島周辺で暮らし、冬季になると繁殖のため日本近海へ南下する。同じ渡り鳥のツバメやツルは1日の飛行距離が約50kmなのに対し、アホウドリはなんと10倍の約500kmにもなる。

それはアホウドリが飛行できる鳥類の中でも最大級であり、翼開長(よくかいちょう:翼の幅)が2~3m以上にもなるためである。羽が大きいとその分、風を多く受けることができ、ほとんど羽ばたかずに飛べる。そのためエネルギーをあまり使わず、長距離を飛行できる。

アホウドリの英名は「albatross(アルバトロス)」である。ゴルフで3打少なく打つことをアルバトロスというが、これはアホウドリが翼と風を巧みに利用して、羽ばたくことなく何時間も海の上を飛ぶことに由来する。

リンクWikipediaコトバンク

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2021/9/14

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カテゴリー「語源・由来

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