「キツツキ(啄木鳥)」は、キツツキ科に属する鳥の総称。くちばしが極めて硬く、先が尖り、樹木をつついて穴をあけ、中にいる昆虫を食べる。
その名前は単純に「木をつつき」、木の中にいる虫を捕食することに由来する説がある。
また、キツツキの古名は「ケラツツキ」であり、ケラは虫を意味する。「木の中の虫をつついて捕食する鳥」という意味で「ケラツツキ」となり、これが訛って「キツツキ」になったという説もある。
なお、日本のキツツキ類の和名は「アカゲラ(赤啄木鳥)」や「アオゲラ(緑啄木鳥)」「クマゲラ(熊啄木鳥)」「コゲラ(小啄木鳥)」のように、その種の特徴を表す語の後に、語尾としてケラが付けられている。
「キツツキ」は漢字では「啄木鳥」と書き、「タクボクチョウ」や「ケラ」とも読む。この漢字は「木をついばむ(啄む)鳥」という意味に由来する。「啄む」は「鳥がくちばしでつついて食べる」という意味である。
キツツキの特徴として、鳴き声を上げたり、木をくちばしでつついて音を立てて求愛したりする。この木の幹をつつく動作はドラミングと呼ばれる。「キツツキ」の名前はこの木をつつく音に由来する説もある。
なお、明治時代の歌人・詩人の石川啄木(いしかわ たくぼく、1886~1912年)は、本名が石川一(いしかわ はじめ)である。そして、出身地の岩手県にはキツツキが多く、故郷で病気療養をしていた際に、窓の外から聞こえてくるキツツキが木をつつく音に心を慰められたことから、「啄木」というペンネームを使うようになったという説がある。
2021/9/22
カテゴリー「語源・由来」