漆喰に混ぜられる海藻の役割

漆喰(しっくい)とは、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とする建築材料。住宅様式や気候風土などに合わせて世界各地で組成が異なっており独自の発展が見られる。

漆喰の壁

顔料を混ぜない白い漆喰のことを「白漆喰」をいい、姫路城などに使われている。日本の漆喰は消石灰を主成分に、骨材・すさ(麻)・海藻のりなどの有機物を混ぜて練り上げたものである。

海藻のりは接着剤のようなもので、フノリ(布海苔)やギンナンソウ(銀杏草)、ツノマタ(角叉)などの海藻を煮て作られる。ほどよい粘り気で壁に塗りやすく漆喰の仕上げがより均一になる。海藻のりは戦国時代から受け継がれる伝統材料で、城郭建築には欠かせないものである。

原料の海藻は国内では東北~北海道が産地であるが、収穫量が少ないため南米産の海藻も多く使われている。現在は加熱後乾燥、粉末化された粉末海藻のりが主流となっている。

漆喰は風雨に弱い土壁そのままに比べて防水性を与えることが出来るほか、不燃素材であるため外部保護材料として、古くから城郭や寺社、商家、民家、土蔵などで使われてきた。

主成分の水酸化カルシウムは二酸化炭素を吸収しながら硬化(炭酸化)する。いわゆる気硬性の素材で、長い年月をかけて硬化していく。生成された炭酸カルシウムは水に不溶であるため、漆喰の保存性は高い。

リンクWikipedia

2025/8/3

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カテゴリー「歴史・文化

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