10円玉の表面には京都府宇治市にある平等院鳳凰堂が描かれているが、実物の建物とは違う部分がある。それは「石の土台」である。
平等院鳳凰堂は平安時代の公卿・歌人の藤原頼通(ふじわら の よりみち、992~1074年)により建立(こんりゅう:新たに作ること)された寺院。平安時代の文化を今に伝える貴重な建物として、1951年(昭和26年)に国宝に指定された。国宝の指定も大きな要因となり、同年に10円玉のデザインに採用された。
そんな平等院鳳凰堂と10円玉に描かれたものには違う個所があり、それが「石の土台」である。平等院鳳凰堂の中堂にある石の土台のデザインが異なる。これは1950年(昭和25年)から7年間続いた昭和の大修理で新事実が発覚したためである。
それまでは10円玉に描かれたように土台部分は六角形の石を積み重ねたものと考えられていた。しかし、修理の際の発掘調査で創建当初は長方形の石を縦横に組む方式だったことが判明した。そこで平安時代の姿に戻すために長方形の石を使い修理された。
10円玉に描かれている平等院鳳凰堂は修復前の姿をデザインしたものであり、現在とは異なる姿となっている。
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2025/7/23
カテゴリー「歴史・文化」