日本では弥生時代の昔から使われていた銅鏡は美しく輝く一方、錆びやすく輝きをすぐに失ってしまうことから、こまめに磨いて錆を落とす必要があった。
そんな銅鏡を磨く際に使用したある花木がある。それはカタバミやザクロである。これらの植物の葉や茎にはシュウ酸が含まれており、曇りの原因となる汚れを取り除き、輝きが蘇った。シュウ酸には銅鏡の表面に付着する酸化膜を分解する効果がある。
カタバミは鏡を磨く際に用いられたため別名で鏡草(かがみぐさ)とも呼ばれる。また、シュウ酸は英語で「oxalic acid」というが、カタバミ(oxalis)の葉から単離されたことに由来する。
なお、今日博物館などで見る銅鏡は緑色で鏡として利用できないが、これは長い年月の間に酸化して緑青(ろくしょう:銅の錆)が形成されたからであり、作られた当時の銅鏡の反射面は白銀色ないし黄金色の金属光沢を呈していた。
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2025/8/9
カテゴリー「生き物」