「にっちもさっちも」は、物事が行き詰って身動きが取れず、どうにもならない状態を表す言葉である。この言葉は漢字で「二進も三進も」や「二進三進」と書く。
多くの場合では「にっちもさっちもいかない」という形で使われる。「にっちもさっちも」という言葉は江戸時代の割り算に由来する言葉である。
九九(くく)のように掛け算には暗記で覚える方法があるが、割り算にも暗記で覚える方法があった。江戸時代から使われた八算(はっさん)というものである。九算ではなく八算なのは1で割っても数字が変わらず、一の段は意味がないということで八算と呼ばれる。
例えば、2÷2は二進一十(にしんがいんじゅう)と言う。「2を2で割ると割り切れて商の1が立つ」という意味である。掛け算の九九に比べて分かりずらいが、そろばんの玉の動かし方を表している。そして、3÷3は三進一十(さんしんがいんじゅう)となる。
この「二進」と「三進」は「にっち」と「さっち」と読むことができ、「にっちもさっちも」という言葉はここから来ている。2でも3でも割り切れないところから、どうにもやりくりできない、窮地に追い込まれて身動きがとれないという意味で使われるようになった。
「にっちもさっちも」の使い方としては「仕事の納期とトラブルが重なって、にっちもさっちもいかなくなった」や「借金が膨らんで、今月はもうにっちもさっちもいかない状態だ」などが挙げられる。
リンク:コトバンク
2026/10/22
カテゴリー「語源・由来」