室町時代の能役者・能作者である世阿弥(ぜあみ)の1443年(嘉吉3年)の忌日(旧暦)。
1363年(正平18年/貞治2年)生まれ。父は同じく能役者・能作者の観阿弥(かんあみ)であり、世阿弥と共に能を大成した人物である。多くの書を残し、観阿弥・世阿弥の能は「観世流(かんぜりゅう)」として現代に受け継がれている。
幼名は鬼夜叉(おにやしゃ)、藤若(ふじわか)、元服して観世三郎元清(かんぜさぶろうもときよ)。12歳の頃に父と共に室町幕府第3代将軍・足利義満(あしかが よしみつ)に見出されて特別の手厚い待遇を受ける。父の死後、観世大夫(かんぜだゆう)を継ぐ。
40代以降に浄土教の一宗派・時宗(じしゅう)の法名である世阿弥陀仏(世阿彌陀佛:ぜあみだぶつ)が略されて世阿弥と称されるようになる。世の字の発音が濁るのは、義満の指示によるもの。義満の没後は不遇で、晩年は佐渡に流される。
1443年(嘉吉3年)に80歳で死去。能楽論を記した『風姿花伝(ふうしかでん)』『花鏡(かきょう)』『至花道(しかどう)』ほか20余の伝書は、日本の芸術論を代表する。
また、能の作品に『高砂(たかさご)』『老松(おいまつ)』『清経(きよつね)』『八島(やしま)』『井筒(いづつ)』『砧(きぬた)』『班女(はんじょ)』『融(とおる)』など多数ある。