旧暦8月15日~16日の夜(八月十五夜)の月を「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」と呼ぶ。古くから月見をして美しい月を愛でる慣習がある。
日付は「秋分」(9月23日頃)の前後半月の期間(1ヵ月間)の中で変動する。十五夜の日は満月の日に近い日ではあるが、必ずしも両者は一致するものではなく、むしろ異なる場合の方が多い。その差は最大で2日である。
中秋の夜に雲などで月が隠れて見えないことを「無月(むげつ)」、中秋の晩に雨が降ることを「雨月(うげつ)」と呼び、月が見えないながらもなんとなくほの明るい風情を賞するものとされる。
「望(ぼう・もち)」は満月を指す。俳諧では旧暦8月14日~15日の夜を「待宵(まつよい)」、16日~17日の夜を「十六夜(いざよい)」と称して名月の前後の月を愛でる。
この頃は新芋(サトイモ)の収穫期にあたり、芋の水炊きを供えたりすることから「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれる。また、旧暦8月15日は日本の六曜で必ず仏滅になることから、俗に「仏滅名月」とも呼ばれる。
英語圏では同時期の満月を表す表現として「Harvest Moon(収穫月)」や「Hunter's Moon(狩猟月)」がある。アメリカでは9月が農作物の収穫(ハーベスト)時期となり、「Harvest Moon」はその頃の満月を指す。また、「Hunter's Moon」はその次に巡ってくる満月を指し、10月は狩猟を始める頃となる。
日本ではこの日に、稲穂に見立てたススキや月見団子、大豆(枝豆)や栗、芋、ナス、柿など旬の収穫物を供えて、今年の秋の実りに感謝するとともに翌年の豊穣を祈願する。一方、中国では「中秋節(ちゅうしゅうせつ)」として家族が集まり、菓子の月餅(げっぺい)を食べながら月を楽しむ習慣がある。
「中秋の名月」の日付は以下の通り。
「中秋の名月」に由来する記念日には「すっぽんの日」「月見酒の日」がある。また、旧暦9月13日~14日の夜は「十三夜(じゅうさんや)」と呼ばれ、中秋の名月に次いで月が美しいとされる。
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