長野県長野市に事務局を置き、「高野豆腐(こうやどうふ)」メーカーで構成される全国凍豆腐工業協同組合連合会が制定。
日付はおせちの伝統食材の「高野豆腐」を食べて健康な新年を迎えて欲しいとの思いを込めて、「高野=こうや(58)」と読む語呂合わせから、新年まで残り58日である11月3日としたもの。また、この日は国民の祝日「文化の日」でもあり、「高野豆腐」を含む日本の食文化の伝承やその素晴らしさを再発見するきっかけの日にとの願いも込められている。
「高野豆腐」の名前を国内外に向けて発信することが目的。記念日は2020年(令和2年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
「高野豆腐(こうやどうふ)」とは、豆腐を凍結、低温熟成させた後に乾燥させた保存食品である。乾燥状態では軽く締まったスポンジ状で、これを水で戻し、だし汁で煮込むなどして味を付ける。
歴史的には、和歌山県の北部にある高野山(こうやさん)で、真言宗の僧・木食応其(もくじきおうご、1536~1608年)によって製法が完成された「凍り豆腐(こおりどうふ)」が、精進料理の一つとして全国に広まったものとされる。
また、東北地方にも「凍み豆腐(しみどうふ)」と呼ばれる同じ製法の保存食があり、こちらは戦国大名・伊達政宗(だて まさむね、1567~1636年)が、兵糧研究の末に開発したという伝説がある。中国にも同様の食品があるため、中国から伝来した可能性も高い。
伝統的な製法として本来は冬の寒気を利用して屋外で凍らせて作るが、近代では屋内で冷凍機・乾燥機を利用して作るものが多い。現在では一般的になっている「高野豆腐」という名称は、江戸時代において高野山の土産物として珍重されたことに由来するとも言われている。
「高野豆腐」は、高たんぱく質・低糖質な食品であり、鉄分やカルシウムを豊富に含む。また、体内の消化酵素で分解されにくいレジスタントたんぱく質の働きにより、血中コレステロールの低下や中性脂肪の上昇抑制、脂質代謝の改善など健康維持に対して有効だとする研究結果も報告されている。
リンク:こうや豆腐普及委員会、Wikipedia