歯科インプラント治療に携わる臨床医が、垣根を越えて参加協力することを目的に設立されたスタディグループ「Osseointegration Study Club of Japan」(略称:O.J.)が制定。
日付は歯科インプラント治療の痕跡がX線写真上では縦の棒状に見えることから、その形を数字の1に見立て、1年で1が最も多く並ぶ11月11日を記念日としたもの。
1965年(昭和40年)に初めて臨床応用されて以来、多くの人々が恩恵を受けてきた歯科インプラント治療は、高齢化社会においてさらに重要性が増すと考えられている。
歯科インプラント治療についてより多くの人に知ってもらうとともに、自身の歯の健康維持について考えてもらうことが目的。記念日は2023年(令和5年)10月18日に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
インプラント技術は進歩が早く、かつては考えられなかった機能性や審美性も現在では備えることができるようになった。O.J.ではその進歩したインプラント技術を取り入れ、より確実なインプラント医療を求めて活動に取り組んでいる。
21世紀に入りインプラントが歯科治療の中でも主流を占めるようになってきた。そんな中で狭い範囲でディスカッションを行うのではなく日本の将来を考え、お互いに情報交換を行うことのできる場を持ちたいということでO.J.は始まった。
O.J.が設立したのは2002年(平成14年)6月のこと。東京都豊島区駒込に事務局を置く。会員数は600名となっている。
ディスカッション、シンポジウム、ミーティングという年3回の行事の中で会員の知識と臨床の質を高めるということを目的に、本当の意味での歯科臨床におけるインプラントの位置づけ、というものを確立していきたいと考えている。
インプラント(implant)とは、体内に埋め込まれる器具の総称である。医療目的で広く行われ、失われた歯根に代えて顎骨に埋め込む人工歯根(歯科インプラント)、骨折・リウマチ等の治療で骨を固定するためのボルトなどがある。
歯科インプラント治療では、う蝕(虫歯)や歯周病などで歯を喪失したあとに、チタン製あるいはチタン合金製の支柱を顎の骨に埋め込み、それを土台として歯を修復する。歯科インプラント(デンタルインプラント)を単にインプラントと呼ぶ名称も一般化している。
インプラント治療は、従来の取り外し式の義歯やブリッジと比較して、機能的・審美的に優れていること、周囲の歯を削ったりする必要がないことなどの利点が挙げられる。最近の統計では、日本でも30歳以上の成人において、50人に1~2人が治療を受けている一般的な歯科治療法となっている。