カレーパンを揚げる理由

「カレーパン」は、カレーを具とする調理パンで、衣を付けて揚げて作られることが多い。パンの中でも人気のある惣菜パンである。

カレーパン

カレーパンを作った元祖の店は、東京都江東区森下の「名花堂」(現:カトレア)とされる。創業は1877年(明治10年)で、2代目店主の中田豊治(なかた とよじ)が1927年(昭和2年)に実用新案に登録した「洋食パン」がカレーパンの元祖と言われている。

ただし、同新案は「具の入ったパンをカツレツのように揚げる」という主旨であり、カレーの言葉は全く含まれていなかった。

カレーパンが開発された当時、その4年前の1923年(大正12年)9月に発生した関東大震災の爪痕がまだ残っていた。震災により名花堂も全壊してしまい、店の建て直しを急いでいた中でカレーパンを思い付き、開発された。

当時は空前の洋食ブームで「カツレツ」と「カレーライス」の2つが人気の食べ物だった。この2つのよいところを合わせたものが「カレーパン」である。カレーパンを揚げるのは当時の人気料理の「カツレツに似せるため」だった。

カレーパンを開発する中で工夫されたのが、中に入れるカレーを1日寝かせることだった。これにより水分が程よく抜け、パンの生地に詰め込みやすくなった。

その当時、カツレツは高価で庶民の憧れの食べ物だった。そんなカツレツに似せて、揚げて作られたカレーパンは安く提供することができた。そして、安くて美味しいカレーパンは全国で人気のパンとなった。

リンク日本カレーパン協会Wikipediaコトバンク

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2020/2/22

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カテゴリー「食べ物

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