「カサゴ」は、カサゴ目フサカサゴ科あるいはメバル科に属する海水魚の総称であり、またそのうちの1種を指す。
全長は25~30cmに達する。日本近海を含む太平洋西部の暖海域に分布し、沿岸の岩礁や砂場、海中林などに生息する。肉は白身で食用魚として、煮付けや鍋、塩焼き、刺身、唐揚げなど様々な料理に用いられる。
和名の「カサゴ」は、頭部が大きく、笠(かさ)をかぶっているように見えることに由来して「笠子(カサゴ)」と名付けられたという説がある。
「カサゴ」の漢字は「笠子」の他に、「瘡魚」や魚へんに「由」の「鮋」がある。「瘡」は「かさ・ソウ」と読み、「できもの・はれもの」を意味する漢字である。この字は人体の傷口にできる瘡蓋(かさぶた)の瘡でもある。
漢字の「瘡魚」は、カサゴの皮膚が病気で瘡(かさ)ができたように見えることに由来する。また、この「瘡魚」が和名の「カサゴ」の語源であるという説もある。魚へんの「鮋」は中国語で総称としての「カサゴ」を意味する漢字である。
「カサゴ」に分類される魚として、日本ではカサゴ、アヤメカサゴ、メバル、フサカサゴ、ミノカサゴ、オニカサゴ、アコウダイなどが見られる。ミノカサゴやオニカサゴのように鰭(ひれ)の棘(とげ)に強力な毒を持つ種類もいる。
「カサゴ」は日本では釣りの対象魚としてなじみ深く、防波堤や岩場からも比較的簡単に釣れる。また、日本において江戸時代、勇ましい姿が武家に好まれ、5月5日の「端午の節句」に飾られる縁起の良い魚の一つであった。
2021/10/4
カテゴリー「魚へん漢字の由来」