「虹」の漢字に「虫」がつく理由

「虹(にじ)」は、雨上がりの空に見えるきれいな大気光学現象である。日本では赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色に見えると言われる。

虹

そんなきれいな「虹」の漢字には「虫」が使われている。実は「虹」についている虫へんは「昆虫」のことではない。虫へんがつく漢字には、昆虫以外の蛙(かえる)や蝦(えび)、蛸(たこ)、蜆(しじみ)、蛤(はまぐり)などがある。

これらの漢字が表すように、虫へんは昆虫ではない「水辺の生き物」を表す場合にも使用される。「虫」という字はもともと中国の漢字であるが、日本に伝来した時には「昆虫」のことではなく、「蛇(へび)」のことを表す漢字だった。

中国ではヘビはジメジメしたところに生息し、雨が降ると現れると考えられていた。そのような理由で「虫」の字はヘビのような「水辺の生き物」に使われた。では「虹」とはどのような水辺の生き物を表しているのか。

それは「竜(りゅう)」である。中国では虹を竜の一種と見なす風習がある。また、中国では竜は水辺に住んでいると考えられており、「虹」の漢字の「虫」は「竜」を表している。その一方で「虹」のつくりの「工」は「コウ」の音を表現したものである。

中国では「虹」は「コウ」と呼ばれ、同じ音の「工」が選ばれた。このように「意味と音」で作られる漢字は「形声文字」と呼ばれる。また「工」の字は、その形から見て取れるように「天と地をつなぐ」という意味もある。

リンクWikipediaコトバンク

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2021/10/10

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カテゴリー「語源・由来

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