「クエン酸」の名前の由来

「クエン酸(citric acid)」とは、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、梅干しに含まれる有機化合物で、爽やかな酸味を持つのが特徴である。

レモン
レモン

クエン酸には、食欲を増進させる働きや殺菌の効果などがある。そのため、ご飯の中央に梅干しを乗せた「日の丸弁当」は、日本に古くからあるが、とても理にかなった弁当だと言える。

また、クエン酸の水溶液は弱酸性であり、台所や風呂場などでアルカリ性の水垢や汚れを落とすのにも利用される。

そんなクエン酸は、1784年にスウェーデンの化学者カール・シェーレ(Karl Scheele、1742~1786年)がレモン汁から結晶として単離し、発見した成分である。ただし、「クエン」という言葉はそのずっと前からあった。

「クエン酸」は漢字で「枸櫞酸」と書く。枸櫞(くえん)とは、ミカン科ミカン属に分類されるシトロン(citron)という植物のことである。和名ではマルブシュカン(丸仏手柑)とも呼ばれる。シトロンはレモンと類縁関係にある。

シトロン
シトロン

そんな「枸櫞」は、中国語に由来する言葉で、中国・唐の時代(618~907年)の文献にその字が登場する。日本では平安時代の918年に編纂された薬物辞典『本草和名(ほんぞうわみょう)』に掲載されているほど古い言葉である。

また、「クエン酸」は英語で「citric acid(シトリック アシッド)」である。この「citric」は「柑橘類」を意味する「citrus(シトラス)」に由来する言葉である。

ちなみに、関連する記念日として、「ク(9)エン酸(3)」と読む語呂合わせから9月3日は「クエン酸の日」、10月5日は「レモンの日」となっている。

リンクWikipediaコトバンク

2021/10/12

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カテゴリー「語源・由来

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