2024年(令和6年)7月3日に新しい3種類の紙幣の発行が開始され、一万円札には渋沢栄一、五千円札には津田梅子、千円札には北里柴三郎が描かれている。
日本の紙幣の表面には人物の顔が描かれてきた歴史がある。これは世界の紙幣でも共通している。日本ではすべての紙幣に人物が描かれてきた。ただし、国産紙幣第一号の一円札には特定の人物の顔ではなく水兵が描かれている。
お札に人物が描かれる理由の一つとして、偽造防止が挙げられる。人間の目は人の顔や表情のわずかな違いにも違和感を持つという特徴があり、お札を手にした人が偽札を判別できるためである。
その他の理由として、お札に人物を描くことで人々に親近感を持ってもらうことがある。その国のよく知られた政治家や文化人、有名人などを描き、その人物の業績などを再認識して親近感を持ってもらうとともに、銀行の紙幣自体についても認識を深めてもらう狙いがある。
日本のお札に使用される肖像の人物選定に明確な基準はないが、いくつかの点で注意が払われている。例えば、極力実在の人物で、業績があり知名度も高く親しみやすいなど、国民から尊敬され日本を代表する人物であること。また、偽造防止の観点から、簡単に複製できず、かつ人の目を引く特徴のある顔であることなどである。
日本のお札で最も多く登場した人物は「十七条の憲法」を制定した聖徳太子であり、7回(戦前2回、戦後5回)も登場している。
また、お札の表面右側に人物が描かれることが多いが、過去には表面の中央や左側に人物が描かれたこともある。しかし、銀行などでお札を勘定する時に、左手でお札を持って数えると、左側に描かれたお札だけ人物が確認しにくく不便であるとして、それ以降は表面左側にレイアウトされることはなくなった。
日本のお札には以下の合計20名の人物が登場している。
2024/10/2
カテゴリー「生活・科学」