日本初「レトルトカレー」の歴史

1968年(昭和43年)2月、大阪の食品メーカー・大塚食品が世界で初めての市販レトルト食品「ボンカレー」を発売した。

ボンカレー(1968年)

これが日本で最初の「レトルトカレー」であり、湯の中で加熱する湯煎(ゆせん)をするだけで調理ができ、一食分のカレーライスを食べることができた。レトルトカレーはとても便利な商品であり、現在の日本では子供から大人まで、幅広い層に人気がある。

しかし、発売当初は半透明なパウチを使用しており賞味期限が数ヵ月と短く、その見た目が薬品のようで美味しくなさそうという良くない印象もあり、なかなか消費者には受け入れられず売れなかった。

その後、パウチ素材にアルミ箔を使うことで賞味期限を大幅に延ばした新パウチを開発した。そんな中で、レトルトカレーが大ブームとなるきっかけの出来事があった。

それは1969年(昭和44年)7月にアポロ11号が月面着陸に成功したことである。この時、宇宙飛行士が宇宙食としてレトルト食品を食べている映像が世界中に流れたことで、レトルト食品が注目されるようになった。

その他にもテレビCMの効果もあり、レトルトカレーは次第に一般家庭に浸透していった。1972年(昭和47年)に放送されたテレビCMの「3分間待つのだぞ」という落語家の三代目・笑福亭仁鶴(しょうふくてい にかく、1937~2021年)によるセリフは流行語にもなった。

このように歴史のあるレトルトカレーは、その後も進化を続けている。2003年(平成15年)9月には同じく大塚食品から、世界初の「電子レンジで温められるレトルトカレー」が発売された。これにより湯煎専用だった「ボンカレー」はパウチのまま電子レンジで調理ができるようになった。

リンクボンカレーWikipedia

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2021/10/24

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カテゴリー「食べ物

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