トウガラシの入った「一味唐辛子」と「七味唐辛子」はどちらも料理をより辛くする時に使うが、この二つは本来の使い方に違いがある。
「一味唐辛子」は、乾燥させたトウガラシの実をすりつぶして粉末にした調味料である。単に「一味」とも呼ばれる。
「七味唐辛子」は、一味唐辛子をベースに山椒(さんしょう)や麻の実(あさのみ)、胡麻(ごま)、青海苔(あおのり)、紫蘇(しそ)、陳皮(ちんぴ:ミカンの皮)、芥子の実(けしのみ)、生姜(しょうが)、菜種(なたね)など、この中から主に七種類の材料を混ぜて作られることからその名前が付いた。七味唐辛子は地域やメーカーなどによりその材料が異なる。単に「七味」とも呼ばれる。
「一味唐辛子」はその名前の通り一つの味しかない。一方、「七味唐辛子」は七種類の香辛料が含まれており風味が豊かである。そのため、「一味唐辛子」はシンプルに辛さだけを足したい時に使用され、「七味唐辛子」は辛さだけでなく風味を足したい時に使用される。
トウガラシの粉末はもともと日本にもあったが、料理に使う「一味唐辛子」という調味料は大正時代に辛い味付けで有名な四川料理と一緒に中国から日本に入って来たとされる。そのため、麻婆豆腐やエビチリなどの中華料理を作る時、辛さだけを足すために使うのが本来の使い方である。
一方、「七味唐辛子」は日本で生まれたもので、江戸時代に漢方薬をヒントに様々な薬効のある香辛料を混ぜ合わせて作られた。トウガラシ以外にも山椒や陳皮など香りや風味が強いものが入っている。そのため、そばやうどん、豚汁など味が濃くない和食に辛さだけでなく、風味も足したい時に使うのが本来の使い方である。
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2024/10/6
カテゴリー「食べ物」