「ミョウガ」の名前の由来

「ミョウガ」は、ショウガ科ショウガ属の多年草であり、麺類や冷奴の薬味、天ぷら、酢の物、味噌汁の具など食用として利用される。

ミョウガ

原産は東アジアの温帯地域。日本にはアジア大陸から持ち込まれたとされ、食用として栽培されてきた。食材としては花穂(かすい)と呼ばれる部分が利用され、独特の香りがあるのが特徴である。

ミョウガは漢字では「茗荷」と書く。「ミョウガ」の名前は「香る芽」という意味の「芽香(めか)」を語源とする説がある。

また、ミョウガが大陸からショウガ(生姜)と共に持ち込まれた際、香りの強い方を「兄香(せのか)」、弱い方を「妹香(めのか)」と呼んだ。これが後に「ショウガ」と「ミョウガ」に転化したという説もある。どちらの説もミョウガの特徴である「香り」に由来する名前である。

ミョウガを食べると物忘れがひどくなると言われるが、これは俗説であり学術的な根拠はない。しかし、国語辞典の『広辞苑』にも掲載されているように、「みょうが」には「愚か者」や「阿呆」という意味もある。

昔、インドにいた仏教の開祖・釈迦(しゃか)の弟子に周利槃特(しゅり はんどく)という特に頭の弱い人物がいた。彼は物覚えが悪く、自分の名前すら忘れてしまうほどだった。

そこで自分の名前を書いた名札を首から提げていたが、とうとう死ぬまで彼は自分の名前を覚えることが出来なかった。そんな周利槃特が亡くなった後、彼の墓から見慣れない草が生えており、それが「ミョウガ」だった。

その草は「名」を「荷う(になう)」という意味で「茗荷」と名付けられた。また、「荷」には「地下茎で育つ植物」という意味もある。このような釈迦の弟子に由来する物語は後の世で作られたとされ、今では俗説と言われている。

ただし、自分の名前も覚えられない周利槃特だったが、そんな彼を釈迦は高く評価していた。釈迦は「自らの愚を知る者は 真の知恵者である」と説いており、周利槃特は自身の愚かさを理解していた。

そして、この周利槃特をモデルとした有名なキャラクターが、漫画家・赤塚不二夫(あかつか ふじお、1935~2008年)のギャグ漫画『天才バカボン』に登場する「レレレのおじさん」である。

レレレのおじさん

和服姿に下駄履きで、竹ぼうきを持ち、常に路上で掃除をしている謎のおじさん。「おでかけですか? レーレレーのレー」や「クリーン、クリーン」と歌いながら掃除をするレレレのおじさんは、「掃除」で悟りを開いた周利槃特がモデルと言われている。

リンクWikipediaコトバンクこれでいいのだ!!

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2021/10/25

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カテゴリー「語源・由来

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