「渋谷」の地名の由来

東京都渋谷区にある「渋谷(しぶや)」の名称は、地名の他にも町名や区名、駅名、渋谷駅を中心とする地域の総称として用いられる。

町名としての「渋谷」は一丁目から四丁目まであり、JR渋谷駅を含む渋谷駅東側の地域となる。地域の総称としての「渋谷」には町名の「渋谷」の他に「道玄坂(どうげんざか)」「宇田川町(うだがわちょう)」「神南(じんなん)」「桜丘町(さくらがおかちょう)」などが含まれる。

駅の西側には「道玄坂」、東側には「宮益坂(みやますざか)」があり、渋谷は台地の間の谷あいに位置し、交通上の要地としてかつては茶屋などで賑わった。現在は、東京を代表する繁華街の一つであり、最先端の流行やファッション、音楽、若者文化の街となっている。

新宿」が甲州街道に沿って尾根筋に生まれた「丘の上の街」であるのに対し、渋谷は武蔵野台地を侵食する渋谷川(穏田川:おんでんがわ)・宇田川の合流地点に作られた「谷底の街」である。ただし、渋谷川の上流部の穏田川と宇田川はいずれも現存しない。

渋谷氏が居住した場所

「渋谷」の地名の由来については諸説あり明確ではないが、鎌倉時代には潮入りの場所であり、かつての渋谷川には海水が流れ込んでいたことから「塩谷(しおや)」と呼ばれたという。

その後、現在の神奈川県に位置する相模国(さがみのくに)の武士である渋谷氏がこの地に居住したことから現在の地名になったという説がある。

その他にも、渋谷を流れる「渋谷川」の名前に由来する説もある。地形上の「谷」であることは明白であるが、「渋」については川を流れる水の色が赤茶色の「渋色」であったことに由来する。

その川の色は酸化した鉄分を含む赤土の関東ローム層によるものであり、現在も渋谷で湧いている井戸水には多くの鉄分が含まれている。

また、渋谷川の流域の低地がしぼんだあいであったことから、地名はその谷の形に由来する説もある。

かつて渋谷を流れていた渋谷川は、現在ではそのほとんどが下水道など地中に埋設される暗渠(あんきょ)化がされ、川の上には道路や建物が建設されている。暗渠となる前の渋谷川は、新宿御苑などから水が流れ込む流量の豊富な川で、その支流の河骨川(こうほねがわ)は唱歌「春の小川」の舞台とされている。

「渋谷」のデータ

人口4,074 人(2015年10月1日時点)
郵便番号150-0002
区域一丁目~四丁目
JR山手線・JR埼京線・JR湘南新宿ライン・京王電鉄井の頭線・東急東横線・東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線・東京メトロ副都心線・東京メトロ銀座線「渋谷駅」
※ただし、渋谷駅の所在地は渋谷区道玄坂

リンクWikipediaコトバンク

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カテゴリー「渋谷区の地名の由来」「東京の地名の由来

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